カメラ修理屋日記 CAMERA DAYS

2023年12月20日

Aires 35 ⅢC

アイレス 分解

本日は、アイレス35 ⅢCです。
1957年頃からの発売なので、66年程経っていますが、ぜんぜん使える機体です。
古い構造のカメラなので、複雑な機械ではありませんが、カウンター部などは、こんなにきっちりした造りになっています。

アイレス 分解軍艦部のフラットなデザイン、なかなか良い感じです。

  


Posted by かわず堂 at 17:15Comments(0)レンジファインダー

2022年09月13日

FUJICA GS 645W

GS645W本日は、富士フイルム GS645W。
最近は、標準レンズのついているGS645を扱うことが多いですが、こちらはジャバラ無し、折畳み機構も無し。
その他のメカニズムはほぼ共通しています。
今回の不具合は、まずひとつ、シャッターボタン不良ですが、これはボタン下にあるロック機構の動作不良で、この機種でよく出る不具合です。
そしてもうひとつ、カウンターのパネルの脱落。
本来は、写真の右の方の円盤状の部分に接着されていますが、これが外れて浮いて引っ掛かって動作しなくなります。
これもよくある不具合です。
この2点を直して大体動作するようになりましたが、シャッター機構を含め、全体調整を今回は行います。

GS645Wこれは距離計無しモデル。ついているものもあります。















GS645Wこれはジャバラ付きのGS645のレンズ先端についている飾り蓋の裏です。
ネジなどではなく、接着剤取り付けで、645Wも同じような構造ですが、写真のようにベタベタに接着剤をつけてしまうと、外せなくなる恐れがあります。
構造をあまり理解していないでやったことだと思いますが、分からないで分解しても壊すだけですから。
  



2022年08月03日

Aires 35 ⅢC

アイレス35本日は、アイレス35ⅢCです。
1957年発売。
ちょっと大きめのファインダーが付いています。












アイレス35当時、ちょっと流行っていたと思われる「ライトバリューシステム」が付いています。
絞り情報を伝えるステーが曲がっています。このため絞り・シャッターリングが動作不良を起こしていました。












アイレス35シャッターはSEIKOSHA MXL。
分解はやりやすい方です。















アイレス35できるだけクリーニングしていきます。
















アイレス35ずっしり重い、なかなか存在感のあるカメラです。
  


Posted by かわず堂 at 13:42Comments(0)レンジファインダー

2022年05月05日

minolta minoltina-S

minoltina-S 分解本日は、ミノルタのミノルチナ-S です。
1964年発売なので、メカニズムは古いタイプです。露出計の抵抗も、基板ではなく、紙についています。












minoltina-S 分解動作不良の原因は、矢印のパーツ。チャージレバーを動かすパーツが曲がっています。
このパーツが固着することは無さそうなので、長年の使用で徐々に変形していった結果ではないかと思います。










minoltina-S 分解シャッターは、SEIKO SLV。
ボディのメカニズムと比べると、世代が違う印象です。
オイルがまわってシャッター羽根が半開きで止まっています。












minoltina-S 分解このくらい分解出来ると気持ちいいのですが、レンズシャッターもいろいとなタイプがあり、分解の深度も異なります。













minoltina-S 分解発売当時はあまり売れなかったということですが、スタイルバツグン!です。
ブラッククロームも美しい!!  


Posted by かわず堂 at 17:13Comments(0)ミノルタレンジファインダー

2022年03月13日

FUJI GS645 Professional

GS645本日は富士フイルム・GS645 Professionalです。
今回は久しぶりにシャッターユニット分解しました。
シャッターのメーカー名は書いてありませんが、コパルのようです。
新しい(?)機械なので、扱いやすいです。

中古市場でかなり高額になっていますが、修理出来ない不具合の確率が、他機種より高いようです。
購入時にはご注意下さい。
  


2021年12月17日

FUJI GS645 Professional

FUJICA GS645本日は、富士フイルムGS645です。
この機種は巻き上げ機構とチャージ機構の不具合が多いです。
レンズ収納型なので、カバーの開閉によりパーツの位置が動いてしまうので、再び組み合う時に、元の位置に正確にパーツがあればよいのですが、古くなってくると・・・

チャージ関係のパーツなど、所定の位置に行かないままレンズカバーを動かすと、パーツの破損の危険があります。
破損があると、この機種では修理は難しくなります。
早めのメンテナンスをおすすめします。

また、レンズカバーを開くだけでは、レンズが所定の位置にこない機体も多くなっているようです。
レンズ位置がずれたままだと、ピントの問題の他、
シャッターボタンは動作するが、シャッターユニットが動作しない、ということも起こります。
折畳み機構のゆがみは、長い時間の中で生じているので、どこが曲がっているのか判然としない場合があり、調整しづらいのですが、
この為だけで、「使用出来ません」というのはあまりにもったいない。
カバーを開くとき、少しばかりアシストしてやれば使用出来ます。
ちょっと押してやるだけです。(無理は厳禁!)

ひと手間掛かること、良い写真に繋がることもあるやもしれません。
  


2021年09月27日

Konica ⅢA

Konica 3A  リペア1本日はコニカⅢAです。
トップカバーの裏にハンコが押してあります。
1955年製造か? と思いましたが、このカメラの発売は1958年らしいので、「昭和55年」の修理の検印でしょうか。











Konica 3A  リペア2今回の機体で唯一の問題、カウンター。錆びて文字盤がまわりません。まわりの機構部の動作も渋いです。
たまたまうちに Konica Ⅲ があったので、それを試しにつけてみると全く同じ形状、交換できました。











Konica 3A  リペア3むつかしい構造ではありませんが、分解調整は若干しづらいカメラです。
シャッタースピード、絞りが連動して動く「ライトバリュー方式」です。使いやすかったのでしょうか。
完了の記念写真を撮るのを忘れたので、こちらを上げておきます。
  


2021年09月01日

FUJI GS645 Professional

GS645 分解本日は富士フイルム GS645 です。
シャッターチャージのワイヤーの断裂、そのワイヤーを引っかけている滑車部分がゆがんでいます。
動かなくなった巻き上げレバーを無理に動かそうとしたのでしょう。
原因はレンズ部の開閉機構と、そこにあるチャージ・リリース機構の動作不良などです。
GS645では、レンズ部を開けるとき、それなりの力が掛かるため、長年使用している内に、狂いが出てくるようです。
少しの狂いでチャージ・リリース機構は動かなくなってしまいます。
チャージ・リリース機構も動作が渋くなってきます。
どちらの場合も、無理をするとパーツ破損の恐れがあります。
このカメラはいまだに結構高いので、パーツ交換は高額になります。
無理は禁物です。  


2021年05月14日

FUJI GS645S WIDE60

GS645S 修理1本日は、富士フイルムGS645Sです。
よく出るトラブルの原因のいくつかは、プラスチックの劣化によるものです。
写真は、レンズ周りのカバーです。
レンズ周りにプロテクターのようにパイプが付いているので、ここを持ってしまうことが多いものと思います。










GS645S 修理2そのためと思いますが、ただでも経年劣化してしまうプラスチックのネジ止め部がぼろぼろに破損している機体が多く見受けられます。
この機体はパイプのネジ止め部が破損。カバーを本体に止めている方はなんとか大丈夫に見えますが、補強は両方行います。
今のところ、2液式の固める接着剤を使用しています。
今回、新しいものを試してみましたが、今までで一番強度は出そうです。





GS645S 修理3そしてもうひとつ、こちらも今まで何度か見たことがある不具合です。
巻き上げレバ-下の、スプールを引っかけて回転させるツメを止めているネジが断裂してしまう不具合です。
こちらは、ネジが緩んでいるまま操作を続けることで発生すると思われます。
残った部分を抜いてネジを取り替えれば良いのですが、うまく抜けるかも分からないし、このネジが左ネジになっているのも大問題。
ちょうど合う左ネジは見つかりません。
なんとか残ったネジを外して、順ネジに切り直して対応します。
ツメが無くなっていると修理出来ません。フィルム交換の時、何か落ちた、と思ったらパーツを無くさないように注意して下さい。  


2020年10月16日

FUJICA GS645 Professional

FUJI GS645 Pro 分解本日は、富士フイルム GS645 Professional です。
今回の故障は、ケーブル断裂。巻き上げレバーから、シャッターチャージレバーを引っ張っています。
ケーブルは市販品がいくつかあるので、それが使用できれば修理出来るはずです。
この修理ははじめてでしたが、なんとかなったと思います。
ケーブルがガイドローラーから外れることもあるし、レンズ部の折畳みの時に、パーツが所定の位置に収まっていないと、部品が破損することもあります。部品が破損してしまうと、流通価格が高い為、修理は難しくなります。

ということで、GS645、買い取りしております。
破損がある場合でも、買い取れるかもしれませんので、お問い合わせ下さい。  


2020年09月22日

OLYMPUS-S

Olympus-S 修理1本日は、OLYMPUS-S です。
1962年発売。内部はかなり古い感じのメカニズムです。
写真は露出計です。
接触が悪くなっているようなので、分解して接点部分をクリーニング。
必要な分解がスムースに出来ました。
セレンを裏向きで写してしまいました。
とりあえず動作するようになりましたが、古いので・・・。







Olympus-S 修理2


  


Posted by かわず堂 at 17:09Comments(0)レンジファインダー

2020年03月31日

FUJICA GM670 Professional

FUJICA GM670本日は、FUJICA GM670です。
ブローニー6✕7判、レンズ交換式レンズシャッターです。
この機種は初めてです。今後も無いのでは。
どんな構造なのか??

前板を外すと大量のモルト。隙間が多いのでしっかり取り替えないといけません。







FUJICA GM670フィルムが入っていても、レンズ交換できるように、ボディに遮光幕が付いています。
片側のみのシャッター幕のような感じ。
遮光幕が開いている時はレンズが外せないようロックされますが、その仕組みがなかなか面白い。
しかし、幕は劣化で動作が悪く、交換しました。








FUJICA GM670ファインダーは貼り合わせプリズムです。これを外すのは非常にキケンなので、クリーニングは制限されます。














FUJICA GM670メカニズムは難しくないのですが、あちこちちょっとずつ工夫が必要でした。
古い機械の修理は一筋縄ではいきません。  


2020年01月21日

FUJICA GS645W Professional

GS645W 分解1本日は、富士フイルム GS645W の修理です。
最近、GS645(ジャバラ付き)はご依頼頂くことが多くなっていますが、こちらはその広角版。
距離計がついていないので、正確にはレンジファインダーではありません。
メカニズムはGS645とだいたい同じなので、同じ場所の故障のようです。
このカメラで故障するのは、大きく分けて2カ所。
ひとつがこの写真の付近です。
故障の原因の多くは落としたり、ぶつけたりというショックと思われます。
また、巻き上げレバーの操作時に、いっぱいにスイングさせた状態から、パッと放してしまうのも、故障の原因になりそうなので、ご注意下さい。







  


2019年12月07日

FUJICA GS645S Professional

富士フイルム GS645 1本日は、富士フイルムの中判・GS645S の修理です。
このカメラで良くあるトラブルは、内部で部品の脱落、巻上げが空振りのような感じになって、使用できなくなる、など。
外装がプラスチックなので、ネジ止め部分が割れてしまうこともよくあります。
外装を外すと写真のようになります。
前板の四隅のネジを外すと、レンズごと外れます。
レンズ周りにプロテクターのようなものがありますが、外装カバーにネジ止めされているだけなので、見た目と異なり強度がありません。





富士フイルム GS645 2


  


Posted by かわず堂 at 14:38Comments(0)レンジファインダー

2019年10月06日

Riken 35

Riken 35 分解1本日は、リケン35。
1954年のかなり古い型のカメラです。
レンズ周りの大きなカバーを外すと、長い爪が2本。チャージ用とレリーズ用。













Riken 35 分解2古い構造なので、巻上機構も単純です。
















Riken 35 分解3シャッターはSEIKOSHA RAPID。
精度はさすがにもうひとつ、というところですが、この年代なら仕方無いでしょう。














Riken 35 分解4構造は簡単ですが、「かっちり」した感じで仕上がっているカメラです。
  


2019年01月05日

ZEISS IKON S312

ZEISS IKON S312 分解1明けましておめでとうございます。
修理受付再開しました。

早速ですが今年初めての修理は、ツアイスのS312。小さいカメラですが、フルサイズ、距離計も付いています。
初めて診るカメラなので、カバーを開けるときは少し緊張します。
しかも中は予想以上にギッシリ詰まった感じで、おもわず眉間にシワがよってしまいます。
とにかくどういう構造になっているのか、しっかり観察していきます。





ZEISS IKON S312 分解2前板にファインダー、電気系、シャッターなど、肝心なところがくっついて、ごっそり外れます。
この段階までくれば、大体構造は把握できています。












ZEISS IKON S312 分解3残念な点が1カ所。
レンズ鏡胴がプラスチック製ですが、固定箇所が3カ所のネジ止めのみ、この個体ではヒビも入っています。
補強はしましたが、鏡胴にはピントリングもついていますので、力が掛かります。
出来るだけやさしく扱って下さい。










ZEISS IKON S312 分解4今年も宜しくお願い致します。
お問い合わせ、ご依頼、お待ちしています!
  


2018年07月29日

Tanack Type SD

タナック 修理1本日はタナック type SD の修理です。
シャッター幕が片方動きません。
また、光漏れがあるようです。

トップカバー開けます。かなり古い構造です。このくらい古いと、なかなかちゃんと動いてくれません。
構造は簡単ですが、どの程度使えるようになるか?








タナック 修理2シャッター不動は、緩んで脱落したネジが挟まっていた事が原因でした。
光線漏れは写真を見て下さい。
写真右側のシャッタードラムを隠すようについているカバーの上側が大きく開いています。
マウント側から光を当てて確認すると、かなり大胆に明るく見えます。
反対側も、開いている面積は小さいですが、同じような感じです。
遮光板が無くなっているのでしょうか? でも、欠けているパーツがあるようには見えません。
これは薄い金属板を貼って、モルトを付けて対処しました。


タナック 修理3この辺は手を入れる必要はあまりありませんが、正常かどうかの確認です。















タナック 修理4レンズはガラスはきれいなので、問題無いかな、と思いましたが、ピントがずれてます。一眼レフレンズのピントずれは、比較的簡単に直せますが、Lマウントは、やっかいです。
レンズ鏡胴の位置を直して、レンズ自体の位置の調整も必要になります。スペーサーを作ったりしなければなりません。

そして、絞り羽根が15枚! 一番多いかも。







タナック 修理5こういうカメラは、カメラのご機嫌を伺いながら、という感じで整備していきます。
  


Posted by かわず堂 at 14:58Comments(0)レンジファインダー

2017年12月23日

CANON ⅥL

Canon ⅥL 分解1本日はキヤノンⅥLの修理です。
以前修理した、Ⅳsbと内部は似ているのでは、と思ったのですが、全然別物でした。
昭和33年の機械にしては、かなりのハイスペックに見えます。
もっとも、値段もハイスペックですが。









Canon ⅥL 分解2モナカモナカ構造で分解しやすいです。















Canon ⅥL 分解3ファインダーがかなり曇っていましたが、よくなりました。
距離計の作りも精密で調整しやすい、非常によい作りのカメラです。

  


Posted by かわず堂 at 12:37Comments(0)キヤノンレンジファインダー

2017年07月16日

マミヤ スケッチ

マミヤスケッチ レストア1
本日はマミヤスケッチの修理です。
今回はスプール交換。スプール爪が折れてしまっています。
ネットで探すと、PEN EES が使えるとあります。
でもちっと長さが合わない。
その他、オリンパスのものでいくつか合わせてみましたが、どれも同じです。
PEN D、PEN EE、OM-1などですが、結局、うちで確認したスプールは、ほとんど同じサイズ、形状でした。
でも、ちょっと長さを詰めて、問題無く、装着出来ました。
つまり、上記のカメラのものは、何でも使えるようです。

マミヤスケッチ レストア2珍しい35mmスクエアフォーマット。
使用にあたってはちょっと注意しなければならない部分がありますが、外観も可愛くて、欲しくなるカメラです。
  


2017年06月14日

MAMIYA 6

MAMIYA 6 修理1本日の修理はマミヤ6。
60年前のブローニー。
トップカバーを外すとこんな感じ。
ファインダーは接着で固定してあります。分解すると精度が出なくなりそう。
写真右側のカウンター部で、66、645切り替え時のフィルム送りを制御しています。







MAMIYA 6 修理2フィルム室の左右の羽根をパタパタしてサイズを変えます。
そして、なんとバックフォーカス!
ボディ裏側のダイヤルでフォーカス制御します。










MAMIYA 6 修理3レンズはオリンパス。
この頃のフォント、良い感じだと思います。